日本人投手がメジャーで故障する理由 小宮山悟

著者は千葉ロッテ横浜ベイスターズニューヨーク・メッツで活躍したプロ野球選手の小宮山悟

小宮山さんのプロ5年目のシーズン途中に肘の故障が発生する。手術するか、治療とリハビリを併用して復帰を目指すかの選択に迫られる。後者を選択し、戦列復帰するわけだが、完治したわけでなく肘の痛みと付き合っていた。
アメリカではリトルリーグの子供たちは試合での勝敗や技術は度外視され、無茶な勝利至上主義のような起用方法はされない。技術を磨くのは身体は出来上がってから。
小宮山さん自身は肘を怪我してから`おとなしく投げる`ピッチングフォームに変更した。当時のロッテはバレンタイン監督が就任した年で、トム・ハウスが臨時指導。「ノーラン・ライアンのピッチャーズバイブル」の著者でもある(ライアンと共著)。"おとなしく投げる"="正しいピッチングフォーム"を身につけることで身体に負担をかけず、故障のリスクを減らす。日米のボールの違いやウエイトトレーニングの効果も分かりやすく書かれていて面白い。日本では牛の皮、米国では馬の皮が公式球に使用されていると初めて知った。
ローテーションピッチャーの調整法やバレンタイン監督が小宮山さんに強く影響を与えていた話、メジャーリーグを1年過ごした際に感じたこと等興味深く楽しんで読めた。

日本人投手がメジャーで故障する理由

日本人投手がメジャーで故障する理由