鳥人大系 手塚治虫
「SFマガジン」にて1971年から1975年にかけて発表された作品。
端的に書くと、人類に代わって鳥類が世界を支配するという話。19章から成り、最初の数章を読んだ段階では独立した短編集なのかなと思ったが、しっかり全章に渡って話が繋がっていた。
鳥が知性を持ち世界を統治してくのだが、結局は人類と同じ道を辿っていく。服を着用し、カースト制度が出来るようになり、かつての支配者である人類は家畜扱いとなり、農奴になったり労働を課せられる。
一番のお気に入りの話は17章のブルー・ヒューマン。メーテルリンクの青い鳥のブラック版みたいな話。
結局の所、知性を持った集団が出来るとそこには権力争いが起こる。人間であろうと他の生物であろうとそれは変わらないのだろう。